今夜は眠れない。

仕事から帰ってきて風呂に入ろうと思い、着替えを取りに和室に入って電気をつけたのですよ。
すると畳の上に奴がいたのです。
奴とは何かというとムカデです。
「ああ、今年もやって来たか」
私はそう思いました。
もう毎年のようにかまれているのです。
しかも今までは全長6cmくらいのムカデだったのですが、今日発見したのは倍の12cmくらいはあります。
こんなのにかまれたらたまったもんじゃない。
絶対に殺さなければなりません。
で、叩き殺そうと思って古新聞か何かを取りにいったらいきなり見失ってしまいました。
あたしゃ血眼になって捜しましたよ。
すると奴はパイプハンガーの下に隠れてやがりました。
ここからは殺るか殺られるかの戦いです。
私はここで古新聞から掃除機に持ち替え、奴を吸うチャンスを窺います。
「今だ!」と思った瞬間、焦った私はここでなんとパイプハンガーを倒してしまいました。
散乱している衣類をかきわけ、ようやく奴を見つけた私は掃除機のスイッチを入れます。
次の瞬間、私はまた奴を見失っていました。
ちゃんと掃除機で吸えたのかどうか紙パックの中まで確認する勇気もなく、落ちている衣類を元のようにパイプハンガーにかけてその場を後にしました。
ちなみにパイプハンガーには家族が被害に遭わないように『ムカデに注意!』と書いた紙を残しておきました。
あのムカデがこの家のどこかで生きているかもしれないと思うと不安で不安で仕方がありません。
困りました。
今夜は安心して眠れません。
これだから田舎の平屋は嫌だよ。